『文体の舵をとれ』の合評会をやり終えたという話

OotoMata
18 min readMay 15, 2022

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ハイ、ゼア。大戸又です。

昨年フィルムアート社からこんな本が出た。
『文体の舵をとれ ル=グウィンの小説教室』
著者はアーシュラ・K・ル=グウィン。翻訳は大久保ゆう。
以下、公式サイトより書籍紹介を引用。

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ハイファンタジーの傑作『ゲド戦記』や両性具有の世界を描いたフェミニズムSF『闇の左手』などの名作を生み出し、文学史にその名を刻んだアーシュラ・K・ル=グウィン。
本書は、ル=グウィンが「自作の執筆に励んでいる人たち」に向けて、小説執筆の技巧(クラフト)を簡潔にまとめた手引書である。

音、リズム、文法、構文、品詞(特に動詞、副詞、形容詞)、視点など、ライティングの基本的なトピックを全10 章で分かりやすく解説。
各章には、ジェイン・オースティンやヴァージニア・ウルフ、マーク・トウェイン、チャールズ・ディケンズなど偉大な作家が生み出した名文が〈実例〉として収録され、ル=グウィン自身がウィットに富んだ〈解説〉を加えている。また章末に収録されている〈練習問題〉を活用することで、物語のコツと様式について、自らの認識をはっきりと強固にすることが可能になる。
— — — — — — — — — — — — — — — — — — (http://filmart.co.jp/books/novel/steering-the-craft/)

本書は「文体」の構成要素を詳説し、各章末に章の内容に準じた練習問題に取り組むことで、ル・グウィン先生の指示の下、文体についてクンフーを積むことができる構成となっている。
そして「はじめに」と「付録:合評会の運営」という章には、この練習問題を誰かと一緒に、徒党を組み、クランを作り、クルーを結成して、複数人でやってみてはどうか(意訳)、と書いてある。
フゥン?おもしれぇ、やってやろうじゃん!となったのが本書発売直後の2021年8月某日、そして参加者を募り、discrod上でオンライン合評会を開始し、ル=グウィン先生が夢枕に立ち「舵は?」と鬼詰めしてきたり、課題に四苦八苦し、無事合評会を終えたのが先日2022年5月13日。
およそ2週間に1度のペースで合評会は行われ、10ヶ月掛けて文体の舵をとるワークショップは終わった。

本記事は「文体の舵をとれ」合評会主宰による文舵修了レポートであり、「合評会のススメ」である。合評会の運営にあたってのいくつかのナレッジを共有し、合評会をやってみようと思っている方の背中を押すことができれば良いなと考えている。

余計なお世話だぜ! 俺は自室に帰って一人でやらせてもらうぜ!という熱血漢な御仁もちょっと聞いてほしい。ル=グウィンが単に創作者の読者向けに書いたものであれば、冒頭の「はじめに」でワークショップや創作グループに言及する必要もないし、わざわざ「付録:合評会の運営」などという章も設けないのではないだろうか?

そう、「合評会」には強力な教育効果があった。間違いなく。
ル=グウィン先生は大事なことをすべて教えてくれる…………。
どのような効果か? 私の実感を言語化してみると、それは「自作批評を通じて、他人の「声」を自らの内に招き入れる効用」だ。

本書の語る「文体」とはおよそ「語り」「声(Voice)」のことを指す。
「語り」の解説を読み、それを踏まえて実作し、参加者の批評を受けるということは、つまり「こちらと同じ前提に立った相手の声(Voice)に耳を傾ける」ということだ。
実作に込めた意図は伝わらず、悔しい思いをし、思いも寄らない一文を褒められ、どう読まれたかを知ることで、我々は合評会を通じてお互いにフィードバックする。
これは中々得難い経験だ。少し大袈裟だが、この「参加者の声」を「編集者の声」と言い換えてもよいかもしれない。実際に実作をこなしたプレイヤーがレビューアーとして率直な意見をくれるのだ。それは「語り」を学ぶうえで良い指針となる。
商業出版の編集者にあたる役割を担ってくれる人物は普通、我々の周りにはいない。ネット上にあるのはハウツー記事であり、こちらの前提を考慮しない死んだ声である。だからこそ合評会は機能する。私が合評会の実践を勧めたい理由もここにある。

以下では、「オンライン合評会を運営する上でのナレッジ」と「合評会をうまく回すためのナレッジ」の二点について主宰目線で説明する。
ナレッジといっても大それたことはなく、合評会で気を付けるべきことは「付録:合評会の運営」にほぼすべて書いてある。
とはいえ、discord上で合評会をやっていく流れなどを実際に提示できれば開催に向けたハードルを下げることにつながるのではないかと思う。
要は「文舵合評会開催用パッケージ」だ。参考になれば幸いWi-Fi。
なお、本ナレッジはdiscordサーバーを利用することを前提としているので、その点はご留意願いたい。

◆オンライン合評会を運営する上でのナレッジ

discord screenshot with text channel
合評会用discordサーバーのスクリーンショット

まずは、なにはともあれ合評会グループを作ろう。
「付録:合評会の運営」にはグループの人数は6~11名程度が最適とある。
これは実感をともなって納得できる数字で、合評会参加者が10人を超えてくると会は3時間を超えてくる。たしか、本会でも近い状況が一度、二度あった気がする。
会の平均実績値は、参加者7人、一作あたり13分程度の論評で約2時間。これより早く終ることは一度もなかったので一つの目安にしてほしい。

本書にも記載されているが、参加者の実力(執筆経験?)はある程度揃っていたほうがいい。私は始めるにあたって、Twitterの相互フォローに限定して募集した。まったく書いたことがない人はそもそも参加してこないだろうと高を括っていたところもあったし、参加表明してくれるのは普段から付き合いのある方になるんじゃないかと予想していたからだ。またdiscordサーバーの運営も初めてだったので初対面の人をケアする自信がなかったのもある。

お互いに書いたものを評価し合うという場を設ける以上、参加者が「この場では自由に発言しても大丈夫だ」と思えるような心理的安全性を確保することはとても重要だ。
正直言って、一度も絡んだことがない人と合評会をやるのはかなり難しいと思う。ルールを定めているとはいえ、踏み込むラインがわからないと評論は遠慮がちになってしまうだろうし、そうならないのであれば、作者か評者のどちらかが気分を害していると予想される。
本書にもある通り、「大事なのは、適切な集団、つまり自分が信頼できる人たちを見つけること」だ。自分に近い人に声を掛けると良いと思う。

さて、人数が集まったら主宰は合評会開催までに以下を行うとよい

・日程・実作対象を決め、#日程告知 に@everyoneでリプライする
#がついているのは各テキストチャンネルへのジャンプリンク機能。
以下はサンプル文。

— — — — sample — — — —
第*回合評会のお知らせです。各位ご一読のうえ、スケジュール調整のほどよろしくお願いします。
日付:20**/**/* *曜日 **:00~
実作対象:#第四章-繰り返し表現 <練習問題④>
ルール・依頼事項:
・実作の長さは問一300字程度、問二700〜2000字程度
・合評会の時間を圧縮するため、アップロードされた実作を事前に読み、合評メモの作成をお願いします。
・上記事由により実作の提出期限は*/** 23:59までとします。
・上記補足:合評会当日まで実作のアップロードを受け付けますが、当日できるコメントも少なくなるものとお考えください
・実作の提出形式はテキストファイル(.txt)でお願いします
・ファイルのアップロード先は #第四章-繰り返し表現 です
・ファイル名には投稿者の名前を含めるようにお願いします(例:name_chapter4.txt)
・#合評会の掟 の内容を合評会参加前に必ずご一読ください(円滑かつ有意義な会とするためです)
— — — — sample — — — —

周知したら、あとは該当テキストチャンネルに「締切までに」実作のテキストファイルをアップし、合評会前までに他の方の実作を読んで、感想を考えておくだけだ。
各テキストチャンネルの冒頭には本文の問題文を記載しておくとよい。
提出するファイル形式は.txtで固定しておくと混乱が少ないだろう。
実作時は好きなテキストエディタで書いて提出時に.txtにすればいい。
文字化け対策にもなる。

また、#合評会の掟 というテキストチャンネルには「付録:合評会の運営」で言及された注意事項を「作者編」「評者編」として記載している。すべてのルールを遵守するのは難しかったが、常にルールを意識し続けることで会の流れは円滑に進み、進行を妨げるようなトラブルは一度も起きなかった。以下に転記しておくので必要ならコピペしてもらって構わない。

— — — — #合評会の掟 — — — —

〈作者編〉
①合評の対象となる物語の作者は、会合の前も最中も、沈黙しなければならない。
②合評の対象となる作者は、沈黙しなければならない。
③合評の対象となる作者は、沈黙しなければならない。
④前もって言い訳や説明するのも禁止。
⑤質問された場合のみ、その返事を他の参加者全員も聞きたいかどうかを確認した上で、できるだけ簡潔に述べる。
⑥論評されているあいだはできるだけメモを取ること。
⑦論評してもらったら「ありがとう」と感謝をまず伝えること。
⑧論評が終わり、作者から発言したいのであればしてもよい。ただし、a.手短に b.弁解しないこと。
⑨自作について質問したいことがあれば尋ねても良い。
⑩自作は音読する。

〈評者編〉
①簡潔に、
②誰からの横槍もなく、
③作品の重要な点に関することに限って(ささいな間違いの指摘は原稿への書き込みで済ませて)、
④人格攻撃をしない。
⑤他者の論評を挑発しない。
⑥他者の論評を笑わない。
⑦他者の論評をやりこめようとしない。
⑧他人の発言を復唱しない。
⑨他人の発言に賛同したいなら、そう言う。不同意の場合は、根拠をちゃんと言う。
⑩どんな素朴だと思った意見でも、感じたことはあまさず伝える。
⑪否定的なことを言うよりも、改善の可能性を提示する。
⑫作者に対して、作中の事実関係を〈はい・いいえ〉で直に訊ねてみてもよい。あるいはグループ全体で問いを共有してから、尋ねていいか全員の同意をとれた場合にのみ訊く形にしてもよい。(長い弁解や説明を必要とする質問はしないこと)
⑬アナロジーで語ってはならない。「○○に似てる、△△を思い出した」などと言ってはいけない。
⑭その作品が何を扱っているか、何をしようとして、何を実現しているのかをちゃんと見定める。
⑮合評会はあなたのアピールの場ではない。「伝えるのは本人に対してであって、他人ではない」。

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◆合評会をうまく回すためのナレッジ

さて参加者の方々から実作が集まり、ついに合評会の時間が来る。
合評会を音声通話でやるか、テキストベースでやるか、は好みがあると思うが、本会では音声通話で行った。発話したくない人がいるかもしれないので、そういう人にはテキストチャットで会話に参加してもらうように配慮するとよい。
参加者に許可を取り、合評会の音声録音をしておくと後で振り返るときに便利だ。正直言って、最初の方の回は何を言われたか覚えていない部分もあるし、自分の文章が褒められている音声を後でリピートして聞くことができる。なんか精神衛生によさそう、やったことはないけど。
本会では「craig」というdiscordのボイスチャット録音ツールを利用し、各回の録音データを参加者で共有できるようにした。

https://craig.chat/home/

このツールの良いところはマルチトラック、シングルトラックのどちらでも出力できることだ。つまり音声ログに声を残したくない人のトラックは事前にカットするようなこともできる。また、最大6時間録音できるのでほぼ間違いなく会全体を通して録音できる。
「なぁう、れこぉでぃん」とめちゃくちゃ渋い声で録音開始を宣言してくれるのも良い。これが無いと合評会始まった気がしないとまで言われていた。ちょっとしたマスコットキャラである。「craig discord」などで検索すれば日本語の導入方法記事も出てくるのでオススメ。

craigくんがド渋い声で録音開始を宣言する。今度こそ合評会の始まりだ。
本会では合評はアップロード順に行っていったが、割といつも特定の人が早めに上げるので不動の一番打者が自然に決まってしまうこともある。順番には意味はないが、くじ引きアプリなりで合評順を混ぜるとよいかもしれない。
さて、合評開始と同時に主宰は手元のスマホのタイマーを起動しよう。参加者数×2分ぐらいで合評の上限時間を決め、評者が長々と喋っていると感じたら、躊躇なく指摘し、次の人に論評を回せるようにする。実際にそうした場面はなかったが、タイムキーピングは不公平感をなくすために意識したほうがいい。評者側からすると短時間で端的に評価する訓練にもなる。

本会では主宰が合評会の司会を務めたが、論評で無言が続いてしまうことがある。特に合評会の形式に慣れていない初期の頃は起きがちかもしれない。そういうときは主宰が場を繋げるように自分の感想を小出しにするとよい。これについては上記タイムキーピングの部分と矛盾してしまうが、実作者からするとコメントがもらえないというのは不安になるものだ。評者としてもこんなコメントしてよいだろうか、と発言を躊躇している可能性がある。
であれば、口火を切るのは合評会を主宰しているあなたであるべきだ、と私は思う。予め多めの感想を用意しておき、論評が活発になる種火を適宜放り込むのだ。相槌をうつ、論者の意見に補足を加える……などなど進行を妨げない程度に会話にコミットメントする意識をもつと、自然に発言しやすい雰囲気になってくるかと思う。
ちなみに司会の実作が論評されるときは本人が黙っている必要があるので、誰か別の方に進行をお願いしよう。

全員分の論評をもらったら、次は沈黙していた作者からコメントをもらおう。作者は#合評会の掟 〈作者編〉を意識して発言するとよい。このときもコメントがあまり長くならないように。そして二人目、三人目、と合評を続けていく。

全員分の合評が終わったら、次回の合評会課題について認識を合わせる時間をとる。本書は英語圏の創作者を対象とした翻訳書であるため、どうしても日本語の文法規則と整合性が取れない場合がある。訳者の方が適宜補ってくれていることもあるが、やはり一度全員でどういう課題か話し合っておくと齟齬がなくなると思う。
また、創造的な参加者はルールの隙をついて、課題をハックしてくる可能性があるので、ハックできる範囲を限定する意味でも(ハックを完全に禁止しないためにも)課題内容を検討する時間はあったほうがいい。
そう、この課題文たちにはある種の最適解のようなものが存在する。勿論正答はないのだが、課題をこなしやすくする状況設定やフレームワークというのは確かにある。作者たちの腕の見せどころというわけだ。

課題確認が終わったら、次回日程を決め、合評会は終了だ。
主宰はcraigの録音を停止し、音声ログをダウンロードし、#合評会ログにファイルをアップロードして共有しよう。discordのファイルサイズ上限があるので外部ファイルアップローダーを使う形になるだろう。

以上で、合評会一回分の流れは説明できたと思う。
あとは冒頭の「日程・実作対象を決め、#日程告知 に@everyoneでリプライする」に戻り、あなたの生活サイクルに合評会を組み込むだけだ。

さて、合評会参加者の方に教えていただいたル=グウィンのインタビュー記事がある。彼女が死去する2年前のものだ。

https://www.awpwriter.org/magazine_media/writers_chronicle_view/4249/a_conversation_on_craft_with_ursula_k._le_guin

本書にも言及があるが、この記事では想定読者を絞っていると発言がある。

Naimon: You say at the beginning of Steering the Craft that it’s a handbook for storytellers but you also make clear that it isn’t geared toward the beginning storyteller but rather toward people who are already engaged at working on their craft with some dedication. What distinguishes it as a craft book for this audience?

Le Guin: For one thing, it simply doesn’t give the “you too can write!” sort of encouragement. It grew out of a workshop, and the people in that workshop were already committed writers. Many hadn’t published yet, but that’s not the point. It’s the commitment that counts. I assume that commitment in the book: that you’re interested not so much in being “a success” as a writer, but being “a writer,” as in writing well — telling your story the best you can — committing yourself to your writing, your art.

ざっくり訳すと以下のようなことを言っている。

ナイモン:本の冒頭で、あなたはこの本をストーリーテラーのためのハンドブックだとおっしゃっていますが、初心者を対象にしているわけではなく、ある程度熱心に創作に取り組んでいる人を対象にしていることも明確にしています。このような読者を対象とした創作本であることの特徴は何でしょう?

ル・グウィン:ひとつには、「あなたにも書けます!」というような励ましがないことでしょう。この本は、あるワークショップから生まれたもので、ワークショップ参加者は、すでに熱心な書き手たちでした。多くの人はまだ出版していませんでしたが、それは重要ではない。重要なのは、コミットメントです。私はこの本で、作家として「成功する」ことよりも、「作家である」ことを、つまり、うまく書くこと、自分のストーリーをできる限りうまく伝えること、自分の文章や芸術に専念することに関心がある読者を想定しています。

この発言を見ればわかるが、この本はAmazonレビュー欄で軽々しく論評できるような人間向けには書かれていない。その人間が実際に創作しているのかもわからないし、レビューを信用できる確証などどこにもない。

誰も言わないだけで、ある技能について一定のレベルに到達していない人間には感得できない粒度というものがあることを我々は知っている。
はっきり言って、本邦の低評価レビューは読めていない人間の発言だ。気にする必要はない。捨て置いてよい。ただ、目につきやすいところに堂々と書いてあるというだけで信憑性があるように錯覚しているだけだ。
プラットフォームの構造によって権威性を与えられていても、内容が間違っているのなら指摘されるべきだ。
というわけで、念のためここで付言しておくことにする。

本会では原著を購入して訳書と比較検討してくれた方もいらっしゃった。また凡例として取り上げられている文章はWebや電子書籍で原文に当たることもできる。合評会を通した実感として、翻訳によってノウハウが無効化されるようなケースはなかったと思う。
疑うのであれば調べれば済むことだ。はい、レビューのディス終わり。

いかがだったろうか。本記事が気に入ってくれた方はシェアもlikeも必要ないので、周りの友人、同志たちと文体の舵をとり始めるとよいと思う。

最後に、合評会参加者の皆様、誠にありがとうございました。
大変刺激的なワークショップになったのはひとえに皆様のコミットメントのお陰です。引き続き、文体の舵をとっていきましょう。以上です。

2022/5/16追記
合評会参加者の方から許可をいただいたので実作のリンクを貼っておきます。よかったら是非見てみてください。お二方、許可いただきありがとうございます。
https://note.com/kaede9999/
https://note.com/san_kaku/

2022/5/31追記
弊合評会に参加していただいていた千葉集さんが、合評会の記事を書かれています。千葉さんは別の合評会の主宰であり、私とは異なる観点もありますので、是非こちらも読んでみることをオススメします。
二つ読むと合評会の雰囲気がだいぶ掴めてくるんじゃないでしょうか。https://proxia.hateblo.jp/entry/2022/05/17/073650

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